営業企画とは?仕事内容やスキル、マーケティングとの違いや魅力を解説
営業企画とは、企業の営業部門における売上目標を達成するために、戦略の立案や実行支援を担う職種です。
その意味を正しく理解するには、具体的な仕事内容や求められるスキル、関連職種との違いを知ることが不可欠です。
この記事では、営業企画の役割からキャリアパスまで、転職やキャリアチェンジを考える上で役立つ情報を網羅的に解説します。
営業企画の役割とは?売上目標を達成するための司令塔
営業企画の役割は、営業部門全体の「司令塔」として機能し、組織的な営業活動を通じて売上目標を達成することです。
この最終目的を果たすため、営業企画の役割には市場やデータの分析、営業戦略の策定、活動プロセスの設計、KPIの設定と管理などが含まれます。
個々の営業担当者のスキルに依存するのではなく、データに基づいた戦略で組織全体のパフォーマンスを最大化させることが求められます。
営業企画の具体的な仕事内容を5つのステップで解説
営業企画部の仕事は、感覚や経験則に頼るのではなく、データに基づいた一連のプロセスに沿って進められます。
その具体的な仕事内容は、市場や競合を分析し、目標を設定、そして戦略を立てて実行を支援し、最終的に成果を評価して改善するというサイクルで構成されます。
この流れを理解することで、営業企画という職務の全体像を掴むことができます。
ステップ1では市場や競合の状況を調査・分析する
営業企画の最初のステップは、自社が置かれている状況を客観的に把握するための調査と分析です。
市場の規模や成長性、顧客のニーズ、さらには競合他社の製品や戦略などを多角的に調べます。
3C分析やSWOT分析といったフレームワークを用いることで、自社の強みや弱み、機会、脅威を整理し、他社との違いを明確にします。
この分析結果が、後のステップで効果的な戦略を立てるための堅固な土台となります。
データに基づかない戦略は根拠が弱く、成功の確率も低くなるため、このプロセスは極めて重要です。
精緻な分析が、営業活動の方向性を正しく定めることにつながります。
ステップ2では営業部門全体の目標を設定する
市場分析の結果を踏まえ、営業部門が目指すべき具体的で測定可能な目標を設定します。
この目標は、会社全体の経営目標と連動している必要があり、売上高や市場シェアといったKGIと、それを達成するための中間指標であるKPIを明確に定めます。
例えば、商談化率や受注率、顧客単価などがKPIとして設定されます。
また、マーケティング部門が掲げるリード獲得数とも整合性を図り、部門間の連携をスムーズにすることも重要です。
目標は、営業担当者のモチベーションを高めつつ、達成可能な範囲で設定することが求められます。
ステップ3では目標達成に向けた営業戦略を立案する
設定した目標を達成するための具体的な行動計画、すなわち営業戦略を立案します。
どの市場の、どの顧客層に、どのような製品やサービスを、どういった方法で提供するのかを具体的に設計します。
ターゲット顧客へのアプローチ手法、営業プロセスの標準化、価格戦略、さらには営業担当者のスキル向上を目的とした研修プログラムの策定などもこの段階で行われます。
現場での実行を担う営業推進チームとも連携し、机上の空論で終わらない、現実的で実行可能な戦略を組み立てることが重要です。
この戦略の質が、営業部門全体の成果を大きく左右します。
ステップ4では営業活動をサポートし、実行を促す
戦略を立案するだけでなく、それが営業現場で円滑に実行されるように支援することも営業企画の重要な仕事です。
営業担当者が活用できる提案書のテンプレートやトークスクリプト、製品の導入事例集といった営業ツールを作成し、提供します。
また、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)を導入し、その活用方法をレクチャーして定着を促すことで、営業活動の効率化と可視化を図ります。
経営企画が立てた全社戦略と現場の活動が一致するよう、両者の橋渡し役を担う側面も持ち合わせています。
ステップ5では活動の成果を測定し、改善策を検討する
営業活動が計画通りに進んでいるか、期待した成果を上げているかを定期的に測定評価します。
KPIの進捗状況を週次や月次でモニタリングし、目標との差異を分析します。
もし計画通りに進んでいない場合は、その原因を特定し、営業手法の見直しや新たな施策の追加といった改善策を立案実行します。
このPDCAサイクルを継続的に回すことで、営業組織のパフォーマンスを継続的に向上させていくことができます。
特に製品ライフサイクルの短いメーカーなどでは、この改善活動が競争力を維持する上で欠かせず、成果が出た際の達成感がこの仕事の魅力となります。
混同しやすい他職種と営業企画の役割の違いとは?
営業企画はその業務内容からマーケティング、営業推進、経営企画といった職種と役割が重複する部分があり、違いが分かりにくいことがあります。
しかし、それぞれの職種は組織内でのミッションや担当領域が明確に異なります。
これらの職種との違いを理解することは、営業企画ならではの専門性や役割を正しく認識する上で非常に重要です。
マーケティング職と営業企画の違いは見込み顧客の獲得が主な役割
マーケティング職の主な役割は、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性のある見込み顧客を発見し、獲得することです。
広告宣伝、Webマーケティング、展示会への出展といった手法を用いて、市場に対して広くアプローチし、リードを創出します。
一方、営業企画は、マーケティング部門から引き渡されたリードを、実際の受注につなげるための営業プロセス全体の戦略設計と最適化を担当します。
マーケティングが集客を担い、営業企画が成約に至る仕組みを作るという点で担当領域が異なりますが、両者が連携するためにデータ分析などの共通スキルも求められます。
営業推進と営業企画の違いは営業担当者の活動を直接支援する
営業推進は、営業企画が立案した戦略に基づき、営業担当者が日々の活動をより円滑かつ効率的に行えるように直接的な支援を提供する職種です。
具体的には、営業資料の作成補助、同行訪問によるサポート、インセンティブ制度の運用、キャンペーンの実施など、より現場に近い「実行部隊」としての性格が強いです。
対して営業企画は、中長期的な視点で市場を分析し、営業部門全体の戦略を策定する「司令塔」の役割を担います。
営業企画には高度な企画力が求められ、戦略を考えるのが営業企画、その実行をサポートするのが営業推進、と役割分担されるのが一般的です。
経営企画と営業企画の違いは全社的な視点で経営戦略を策定する
経営企画は、特定の事業部門に限定されず、会社全体の視点から経営戦略や事業計画を策定する部署です。
中期経営計画の立案、新規事業開発、M&Aの検討、予算策定など、企業の将来を方向付ける重要な意思決定に関与します。
営業企画は、この経営企画が定めた全社的な方針や目標をブレークダウンし、「営業」という領域に特化して、売上目標を達成するための具体的な戦術レベルまで落とし込む役割です。
経営企画が企業全体の航路図を描き、営業企画はその航路図に従って営業部門という船の最適な航行方法を計画する、という関係にあります。
営業企画の仕事で感じられるやりがいや魅力
営業企画の仕事は、データ分析や戦略立案など、知的な挑戦が求められる一方で、その成果が会社の成長に直結するという大きな手応えを感じられる職種です。
組織全体を動かし、大きな成果を生み出すダイナミズムは、他の職種では味わえない魅力と言えます。
ここでは、営業企画の仕事で得られる代表的なやりがいを紹介します。
会社の売上向上に戦略面から直接貢献できる
営業企画が立案した戦略や施策は、営業部門全体のパフォーマンスに直接影響を与え、その結果は売上という明確な数字となって表れます。
自分が分析したデータに基づいて立てた仮説が正しく、実行した戦略によって受注率が向上したり、新たな顧客層の開拓に成功したりした際には、会社の業績に直接貢献できたという強い達成感を得られます。
個人の営業成績とは異なり、組織全体を動かして成果を創出するスケールの大きな仕事である点が、この職種の大きなやりがいです。
営業活動の効率化によって組織全体の生産性を高められる
営業担当者個人のスキルや経験に依存しがちな営業活動を、データに基づいて標準化・仕組み化することで、組織全体の生産性を向上させられます。
例えば、効果的な営業プロセスを設計したり、SFA/CRMのようなツールを導入して定着させたりすることで、属人性を排除し、チーム全体のパフォーマンスの底上げが可能です。
これにより、営業担当者はより創造的で付加価値の高い活動に集中できるようになります。
組織の課題を解決し、チームがより良く機能する仕組みを作り上げることに喜びを感じられます。
経営に近い視点でビジネスを動かす経験が積める
営業企画は常に全社の経営目標を意識しながら戦略を立案するため自然と経営層に近い視点が身につきます
市場動向や競合の動き自社のリソースなどを踏まえ事業全体を俯瞰して物事を考えることが常態化します
経営会議で自ら分析したデータをもとに戦略を提言する機会も多く企業の重要な意思決定に深く関与することが可能です
このようにビジネスを動かす当事者としての経験を積めることは将来のキャリア形成において大きな財産となります
営業企画に求められる3つの必須スキル
営業企画として成功するためには、営業現場の経験に加えて、いくつかの専門的なスキルが不可欠です。
データから本質を読み解き、論理的な戦略を構築し、多くの関係者を動かして計画を実行に移す能力が求められます。
ここでは、営業企画の職務を遂行する上で特に重要となる3つのスキルを解説します。
市場のデータから課題を見つけ出す分析力
営業企画の仕事の出発点は、データ分析にあります。
自社の売上データ、顧客情報、市場調査の結果といった膨大な情報の中から、営業活動における課題や成長の機会を発見する能力が必須です。
単に数字の増減を見るだけでなく、「なぜそうなっているのか」という背景を深く考察し、仮説を立てて検証する論理的思考が求められます。
Excelの高度な機能やBIツールを駆使してデータを可視化し、客観的な根拠に基づいて組織が取り組むべき課題を的確に特定するスキルが、全ての土台となります。
課題解決と戦略設計に必要な立案力
データ分析によって明らかになった課題を、いかにして解決に導くかという具体的な戦略を策定する能力です。
特定した課題の原因を掘り下げ、目標達成までの道筋を論理的かつ具体的に描く必要があります。
ターゲット顧客、アプローチ手法、必要な予算や人員、スケジュールなどを盛り込んだ、説得力のある企画書を作成するスキルが不可欠です。
過去の成功事例にとらわれず、市場の変化に対応した新しいアイデアを柔軟に取り入れ、実行可能な計画へと落とし込む発想力と構成力が問われます。
各部署連携と施策推進力
営業企画が立案した戦略を実行に移すには、営業部門はもちろん、マーケティング、商品開発、カスタマーサポートなど、社内の多様な部署との連携が欠かせません。
そのため、各部署の立場や役割を理解した上で円滑にコミュニケーションを図り、プロジェクト全体を前に進めていく調整力が極めて重要です。
時には部門間の利害が対立することもありますが、全体の目標達成という共通のゴールに向けて粘り強く交渉し、協力を引き出すリーダーシップが求められます。
営業企画に向いている人の特徴
営業企画という職種は、誰もが活躍できるわけではなく、特定の思考性や行動特性を持つ人が向いている傾向にあります。
求められるスキルセットに加え、個人の資質が業務の成果に大きく影響します。
自身の性格や得意なことが、営業企画の仕事内容と合致しているかを確認することは、キャリア選択において重要です。
数字やデータに基づいて論理的に考えるのが得意なひと
営業企画の業務は、常に数字やデータと向き合うことから始まります。
そのため、感覚や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータを用いて物事を論理的に分析し、結論を導き出すことを得意とする人が向いています。
複雑な数値の中からパターンや因果関係を見つけ出し、そこから課題や解決策の仮説を立てるプロセスに知的な面白さを感じられる資質が重要です。
感情論ではなく、事実に基づいた冷静な判断ができることが、精度の高い戦略立案につながります。
周囲を巻き込みながら物事を進めるのが好きなひと
営業企画の仕事は、個人で完結することはほとんどありません。
立案した戦略を実行するためには、営業担当者はもちろん、マーケティングや開発部門など、多くの関係者の協力が不可欠です。
そのため、一人で黙々と作業するよりも、多様な立場の人と積極的にコミュニケーションを取り、議論を重ねながらチームとして一つの目標に向かって物事を進めることにやりがいを感じる人が適しています。
自分の意見を伝えるだけでなく、相手の意見にも耳を傾け、合意形成を図っていくプロセスを楽しめることが求められます。
状況の変化に柔軟に対応できるひと
ビジネス環境は常に変化しており、一度策定した戦略が永続的に有効であるとは限りません。
市場のトレンド、競合他社の新たな動き、顧客ニーズの変化などをいち早く察知し、必要であれば当初の計画を大胆に見直すことができる柔軟性が求められます。
計画通りに進まない事態に直面しても、パニックに陥ることなく冷静に原因を分析し、代替案を速やかに提示できる対応力が必要です。
変化をリスクとして捉えるのではなく、新たな機会として前向きに捉える姿勢が、組織を成功に導きます。
営業企画を目指すためのキャリアパス
営業企画は、営業現場や市場に対する深い理解が求められる専門職のため、未経験からいきなり就くことは難しいのが実情です。
しかし、戦略的にキャリアを積むことで、営業企画への道は開かれます。
ここでは、営業企画を目指すための代表的なキャリアパスと、その後のキャリアプランについて解説します。
まずは営業職で実績を積んでから目指すのが一般的
営業企画への最も王道とされるキャリアパスは、営業職としてキャリアをスタートさせ、現場で高い実績を上げることです。
最前線で顧客と直接対話し、商談のプロセスや現場が抱えるリアルな課題を肌で感じる経験は、実効性の高い戦略を立案する上で何よりも貴重な財産となります。
トップクラスの営業成績を収めるだけでなく、後輩の指導やチームマネジメントを経験することで、より広い視野が養われます。
現場を知り尽くした説得力が、社内でのキャリアアップを後押しします。
マーケティング職や経営企画職からのキャリアチェンジも可能
営業職以外から営業企画を目指すルートも存在します。
例えば、マーケティング職で培ったデータ分析能力や市場調査のスキルは、営業企画の業務に直接的に活かせます。
また、経営企画職で会社全体の事業戦略に携わった経験は、営業戦略をより上位の経営戦略と整合させる際に役立ちます。
これらの職種からキャリアチェンジする場合は、営業現場への理解を深める努力が不可欠です。
自身の専門性を強みとしつつ、営業担当者と密にコミュニケーションを取り、現場感覚を養う姿勢が成功の鍵となります。
営業企画を経験した後の多様なキャリアプラン
営業企画としてスキルと経験を積んだ後には、多様なキャリアの選択肢が広がります。
順当なキャリアアップとしては、営業企画部門のマネージャーを経て、営業部門全体を統括する営業部長や事業部長といったマネジメント職への道が考えられます。
また、営業戦略立案で培った視点を活かし、マーケティング部門の責任者や、より上流の経営企画部門へ異動することも可能です。
さらに、事業会社での経験を武器に、外部の視点から企業課題を解決する経営コンサルタントとして独立したり、コンサルティングファームへ転職したりするキャリアも視野に入ります。
まとめ
営業企画は企業の売上を最大化するというミッションのもと、データ分析を駆使して営業戦略を立案実行する営業部門の司令塔です。
その業務は市場調査から効果測定まで多岐にわたり、マーケティングや営業推進とは異なる戦略的な役割を担います。
会社の業績に直接貢献できるやりがいがあり、分析力や企画立案力調整力が求められます。
一般的には営業職で現場経験を積んでから目指すキャリアですが、その後のキャリアパスはマネジメント職やコンサルタントなど多岐にわたります。
論理的思考力と周囲を巻き込む推進力を持ち合わせる人にとって非常に魅力的な職務です。
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