退職届・退職願の書き方|テンプレート付で提出マナーやタイミングも解説
退職を決意した際に必要となる退職届は、正しい書き方と提出マナーを守ることで円満退社につながります。退職届は単なる形式ではなく、自身の意思を正式に伝えるための重要な文書であり、内容や提出方法を誤るとトラブルになる可能性もあります。本記事では、退職願との違いや提出タイミングを整理しながら、正しい退職届の書き方や例文、見本を分かりやすく解説します。初めて退職届を作成する方でも安心して準備できるよう、基本的なマナーから丁寧に紹介します。
今すぐ使える!退職届・退職願のテンプレート【Word/PDF】
退職届や退職願をすぐに作成できるよう、Word形式とPDF形式のテンプレートを用意しました。
手書き、PC作成のどちらにも対応可能です。
用紙は、一般的なビジネス文書で用いられるA4サイズかB5サイズの白いコピー用紙を使用するのが適切です。
特に指定がない場合は、罫線のない無地の紙を選びましょう。
自身の状況に合わせて、縦書き・横書きのテンプレートをダウンロードしてご活用ください。
横書きタイプのテンプレート
横書きのテンプレートは、主にパソコンで退職届を作成する場合に適しています。
近年、ビジネス文書は横書きが主流となっており、多くの企業で違和感なく受け入れられます。
会社の指定フォーマットが横書きである場合や、外資系企業、IT企業などでは特に一般的です。
Wordファイルであれば、ダウンロード後に直接編集して印刷できるため、手軽に作成できるメリットがあります。
手書きに自信がない方や、効率的に準備を進めたい方におすすめです。
縦書きタイプのテンプレート
縦書きのテンプレートは、手書きで退職届を作成する場合や、より丁寧で改まった印象を与えたい場合に適しています。
特に、歴史のある企業や、礼儀を重んじる社風の会社に提出する際は、縦書きを選ぶと良いでしょう。
筆記用具は黒のボールペンか万年筆を使用し、修正液や修正テープは使わずに丁寧に書き上げることが大切です。
もし書き損じた場合は、新しい用紙に一から書き直すのがマナーです。
退職届を書き始める前に知っておくべき基本知識
退職届の作成に取り掛かる前に、基本的なルールを理解しておくことが大切です。
特に「退職届」と「退職願」は、提出する状況や法的な効力が異なるため、その違いを正しく認識しなくてはなりません。
また、使用する筆記用具や用紙、封筒など、必要なものを事前に準備しておくことで、スムーズに作成を進められます。
正しい知識を身につけ、マナーに沿った文を作成することが、円満退社への第一歩です。
「退職届」と「退職願」の決定的な違いとは
「退職届」と「退職願」の最も大きな違いは、提出後の撤回の可否と意思表示の強さにあります。
退職願は、会社に対して退職を「お願い」する文書であり、会社が承諾するまでは撤回が可能です。
一方、退職届は、退職することが確定した後に、その旨を「届け出る」ための文書です。
受理された時点で労働契約の解除が確定し、原則として撤回はできません。
この法的な効力の違いを理解し、自身の状況に応じて使い分ける必要があります。
退職の意思が固まっているなら「退職届」を提出する
退職届は、会社に対して退職する旨を一方的に通知する、強い効力を持つ書類です。
そのため、提出後の撤回や取り下げは原則として認められません。
退職届を提出するのは、すでに上司と退職について合意し、退職日が確定している場合や、会社から退職勧奨を受けて合意した場合などです。
また、会社側との関係が悪化し、明確な意思表示として退職を通知する必要がある状況でも用いられます。
退職を相談する段階なら「退職願」を提出する
退職願は、会社に退職を願い出る、つまり相談する段階で提出する書類です。
まだ退職日が確定しておらず、これから上司と交渉するような状況で用います。
退職願を提出し、会社側がそれを承諾した時点で退職の合意が成立します。
会社が承諾する前であれば、自身の意思で撤回することが可能です。
一般的には、まず口頭で上司に退職の意向を伝え、その後、会社の指示に従って退職願を提出する流れが円満に進めやすいでしょう。
あなたの状況ではどちらを提出すべきか
どちらを提出すべきか迷った場合は、まず会社の就業規則を確認しましょう。
多くの場合、退職に関する手続きが定められています。
一般的には、まず直属の上司に退職の意思を口頭で伝え、相談の上で退職日を決定します。
その後、会社の指示に従い「退職届」または「退職願」を提出するのが最も円満な進め方です。
退職後の失業手当の申請でハローワークから提出を求められるケースもあるため、コピーを保管しておくと安心です。
【見本付き】退職届・退職願の正しい書き方を7つの項目別に解説
退職届や退職願は、定められた形式に沿って正確に作成する必要があります。
パソコンで作成する場合も、直筆で書く場合も、記載する内容は基本的に同じです。
ここでは、表題から宛名まで、7つの項目に分けてそれぞれの正しい書き方を解説します。
見本を参考に、誰が読んでも理解できる、丁寧な文字で書類を作成しましょう。
①表題:中央に「退職届」または「退職願」と書く
用紙の中央上部に、本文よりも少し大きな文字で「退職届」または「退職願」と記載します。
どちらの書類を提出するのかを明確にするための項目です。
この一行下に書き出しの「私儀」がくるため、全体のレイアウトを考慮してバランスの良い位置に書きましょう。
内容は1枚の用紙に収めるのが基本であり、2枚以上にわたらないように注意してください。
②書き出しと本文:冒頭に「私儀」と記載する
表題から一行空け、行の一番下に「私儀」、または「私事」と記載します。
これは「私事ではございますが」という意味の謙譲語で、ビジネス文書における定型句です。
続いて本文を書き始めます。
「この度、一身上の都合により、誠に勝手ながら、来たる令和〇年〇月〇日をもちまして、退職いたします。」といった形で、退職する旨と退職日を簡潔に記載するのが一般的です。
③退職理由:自己都合の場合は「一身上の都合」と書くのが通例
自己都合で退職する場合、具体的な退職理由は詳細に書く必要はありません。
「一身上の都合により」と記載するのが一般的です。
転職や結婚、介護といった個人的な事情はすべて「一身上の都合」に含まれます。
会社への不満などを書くことはマナー違反であり、円満退社を妨げる原因になりかねません。
具体的な理由は、上司に口頭で伝える際に簡潔に説明すれば十分です。
④退職日:上司と合意した年月日を正確に記入する
退職日は、上司と話し合って合意した最終出社日ではなく、会社との雇用契約が終了する年月日を正確に記入します。
例えば、3月末で退職する場合は「令和〇年3月31日」となります。
和暦(令和)でも西暦でも問題ありませんが、社内で使われている形式に合わせるのが無難です。
4月入社など、入社関連の書類で西暦を使っている場合は、それに合わせると統一感が出ます。
⑤提出日:実際に書類を提出する日付を書く
提出日には、退職届を会社に提出する当日の日付を記載します。
直属の上司に手渡しする場合はその日の日付、郵送する場合は投函する日の日付を記入してください。
退職日の日付と提出日の日付は異なることが多いため、混同しないように注意が必要です。
年月日を正確に記載し、空欄のまま提出することがないようにしましょう。
⑥所属部署と氏名:正式名称で記載し、名前の下に捺印する
提出日の次の行に、自身の所属部署名を正式名称で記載します。
部署名や課の名前を省略せず、正確に書きましょう。
その下に自分の氏名をフルネームで書き、名前の下か横に自身の印鑑を捺印します。
シャチハタは避け、朱肉を使う認印を使用してください。
緊急時の連絡先などを追記する必要はありません。
⑦宛名:会社の最高責任者の役職と氏名を敬称付きで書く
宛名は、自分の氏名よりも上の位置に記載します。
宛先は、会社の最高責任者、つまり代表取締役社長とするのが一般的です。
役職と氏名をフルネームで書き、敬称は「様」を使用します。
直属の上司や特定の役員宛てではないため、間違えないようにしましょう。
会社の公式ウェブサイトなどで、代表者の正式な役職名と氏名を確認してから記載してください。
退職届を入れる封筒の選び方と書き方のマナー
退職届という重要な文書は、中身だけでなくそれを入れる封筒にもマナーが求められます。
適切な封筒を選び、正しい書き方をすることで、相手に丁寧な印象を与え、円満な退職につながります。
ここでは、退職届の封筒の選び方から、表面・裏面の書き方まで、基本的なルールを解説します。
封筒は郵便番号枠のない白無地の「長形3号」が最適
退職届を入れる封筒は、郵便番号の枠が印刷されていない白無地のものを選びましょう。
茶封筒は事務的な用途で使われることが多く、重要書類には不向きです。
サイズは、A4用紙を三つ折りにしたものがぴったり収まる「長形3号」が一般的です。
B5用紙の場合は「長形4号」でも構いません。
どのメーカーの製品でも問題ありませんが、中身が透けないよう、二重封筒を選ぶとより丁寧です。
使用する筆記用具は黒のボールペンか万年筆を選ぶ
封筒の宛名や自分の名前を書く際は、黒色のボールペンか万年筆を使用するのがマナーです。
これらは公的な文書で一般的に使われる筆記用具であり、文字が消えにくいという利点があります。
鉛筆や消せるボールペン、サインペンや太いマジックの使用は避けましょう。
文字がかすれたり滲んだりしないよう、インクの状態を確認してから書き始めることをお勧めします。
表面の中央に「退職届」、裏面に所属部署と氏名を書く
封筒の表面、中央部分に「退職届」(または「退職願」)と縦書きで記載します。
この際、宛名は書く必要はありません。
裏面には、左下に自分の所属部署名と氏名をフルネームで書きます。
これにより、誰が提出した書類であるかが一目でわかります。
封をする必要はありませんが、気になる場合は軽く糊付けする程度に留めましょう。
【図解】退職届のきれいな三つ折りの手順と封筒への入れ方
作成した退職届は、丁寧に折りたたんで封筒に入れるのがマナーです。
シワや汚れがつかないよう、きれいな机の上で作業しましょう。
特に手渡しする場合は、封筒ごとクリアファイルに入れて持参すると、折れたり汚れたりするのを防げます。
ここでは、一般的な三つ折りの方法と、相手が読みやすいように配慮した封筒への入れ方を解説します。
用紙の折り方:下から上、上から下に折る三つ折りが基本
退職届の用紙は、記載面が内側になるように三つ折りにするのが基本です。
まず、用紙の下側3分の1を、文章の書き出し部分に重なるように上へ向かって折ります。
次に、上側の残り3分の1を、下から折り上げた部分に重なるように下へ向かって折りたたみます。
きれいに折るために、定規などを当てながら作業すると良いでしょう。
封筒に入れる前に、封はせずに提出するのが一般的ですが、必要に応じて軽く糊付けしても問題ありません。
封筒への入れ方:書類の右上端が封筒の裏側上部にくる向きで入れる
三つ折りにした退職届を封筒に入れる際は、向きに注意が必要です。
受け取った相手が開封したときに、すぐに「退職届」という表題が目に入るように入れます。
具体的には、封筒を裏側(自分の名前が書いてある方)から見て、折りたたんだ退職届の書き出し部分が右上にくるように封入します。
この向きで入れることで、相手がスムーズに書類を広げ、読み始めることができます。
円満退職につながる退職届の提出タイミングと渡し方
退職届は、書き方だけでなく、その出し方、特に提出するタイミングと渡し方が非常に重要です。
適切な時期に、マナーを守って提出することで、会社との関係を良好に保ちながら、スムーズに退職手続きを進めることができます。
ここでは、円満退職を実現するための退職届を出すタイミングや渡し方のポイントを解説します。
いつまでに出す?就業規則を確認し1ヶ月前までに提出するのが理想
法律上(民法627条)は、退職の意思を伝えてから2週間で退職が可能ですが、円満退社を目指すなら就業規則に従うのがマナーです。
多くの企業では「退職希望日の1ヶ月前(30日前)まで」と定めているため、まずは就業規則を確認しましょう。
業務の引き継ぎに必要な期間を考慮し、退職希望日の1ヶ月〜1ヶ月半前には直属の上司に退職の意思を伝え、その後、指定された期日までに提出するのが理想的です。
5ヶ月前など、あまりに早すぎる申し出は、かえって業務に支障をきたす可能性があるため、適切な時期を見計らうことが大切です。
退職日当日の提出は原則として認められません。
誰に渡す?直属の上司に直接手渡しするのが基本的なマナー
退職届は、必ず直属の上司に直接渡すのが基本です。
人事部長や社長に直接提出する行為は、直属の上司の立場を無視することになり、マナー違反と見なされます。
まずは上司に口頭で退職の意思を伝え、退職が承認された後に、指示されたタイミングで退職届を手渡します。
渡す際は、会議室など他の社員の目が気にならない場所を選び、封筒に入れた状態で渡しましょう。
切り出し方の例文と伝える際の注意点
上司に退職の意思を伝える際は、まず「お話があるのですが、今少しお時間をいただけますでしょうか」とアポイントを取ります。
そして、二人きりになれる場所で「一身上の都合により、退職させていただきたく存じます。退職希望日は〇月〇日を考えております」と、退職の意思と希望日を明確に伝えます。
この際、会社の不満や批判を口にするのは避け、これまでお世話になった感謝の気持ちを添えるのが円満な伝え方のポイントです。
郵送やメールでの提出が認められるケース
退職届は直接手渡しが原則ですが、体調不良による休職中や、勤務地が遠隔地であるなど、やむを得ない事情がある場合は郵送での提出が認められることもあります。
その際は、必ず事前に上司に連絡し、許可を得てから送りましょう。
郵送する際は、退職届だけを送るのではなく、挨拶と経緯を記した添え状を同封するのがマナーです。
郵便で送る場合は、配達記録が残る特定記録郵便や内容証明郵便を利用すると確実です。
メールでの提出は原則として認められませんが、会社の指示であれば従います。
退職届に関するよくある質問
ここでは、退職届に関して多くの人が疑問に思う点や、特殊なケースについてQ&A形式で解説します。
会社都合での退職理由の書き方や、会社が受理してくれない場合の対処法など、具体的な例を挙げて説明しますので、自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。
会社都合で退職する場合、理由は「一身上の都合」でよいですか?
いいえ、書きません。
会社都合退職の場合、自己都合退職に比べて失業保険の給付で有利になるため、理由を明確に記載すべきです。
「事業所閉鎖により」や「退職勧奨に伴い」など、会社側から提示された具体的な理由を明記しましょう。
安易に「一身上の都合」と記載すると、自己都合退職として扱われてしまう可能性があるため注意が必要です。
会社が退職届を受理してくれない場合、どうすればよいですか?
内容証明郵便で会社に退職届を送付する方法があります。
民法627条により、労働者は退職の意思表示から2週間が経過すれば、会社の承諾がなくても退職が可能です。
会社が受け取ってくれない、もらえないといった状況でも法律上の効力は発生します。
もし不当な引き止めや退職の強要にあう場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することも検討しましょう。
パートやアルバイトでも退職届は必要ですか?
会社の就業規則で提出が定められている場合は必要です。
パートやアルバイト、契約社員といった雇用形態に関わらず、まずは会社のルールを確認しましょう。
有期雇用契約の場合、原則として契約期間満了までは退職できませんが、やむを得ない事情があれば退職は可能です。
派遣社員の場合は、雇用主である派遣会社に対して退職の意思を伝え、手続きを進めます。
まとめ
退職届は、円満に会社を辞めるための重要な手続きの一つです。
正しい書き方やマナーを守って提出することで、良好な関係を保ったまま次のステップへ進むことができます。
自己都合だけでなく、早期退職や定年退職といった場合でも、感謝の気持ちを込めて手続きを進めることが大切です。
退職届は、退職後の離職票の受け取りなど、公的な手続きにも関連する重要な書類です。
なお、公務員の場合は独自の様式や規則が定められていることが多いため、所属する組織の規定を必ず確認してください。
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