履歴書のポスト投函はOK?封筒の書き方や郵送マナー、注意点を解説
就職活動では、企業から履歴書の郵送を求められることが少なくありません。
その際、「履歴書をポストに投函しても大丈夫なのか?」「手渡しや窓口での提出が望ましいのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。
結論から言うと、履歴書のポスト投函はマナー違反ではなく、正しく行えば問題ありません。
ただし、履歴書をポスト投函する際には、封筒の選び方や宛名の書き方、切手の料金、投函のタイミングなど、注意すべき点がいくつかあります。
この記事では、履歴書を安全かつ丁寧にポスト投函するための正しい手順とマナーを解説します。
履歴書はポストに投函しても大丈夫?
履歴書を企業へ送る際、主な方法としてポストに投函するか、郵便局の窓口に直接持ち込むかの2つが挙げられます。
どちらの方法を選んだとしても、それが直接選考結果に影響することは基本的にありません。
しかし、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合わせて最適な手段を選ぶことが重要です。
ここでは、ポスト投函がマナーとして許容されるのか、また郵便局窓口とどちらを利用すべきかについて解説します。
ポスト投函はマナー違反ではないので問題なし
履歴書をポストに投函して送付することは、ビジネスマナー違反にはあたりません。
採用企業側は、応募書類が提出期限内にきちんと届けば、その郵送方法自体を問題視することはほとんどないため、安心して投函できます。
郵便局の窓口へ持ち込む方法もポスト投函も、郵便サービスを利用して届けるという点では同じです。
時間や場所の制約を受けにくく、自分の都合の良いタイミングで投函できる点は大きなメリットと言えます。
ただし、切手の料金不足や宛名の不備といった基本的なミスは、採用担当者にマイナスの印象を与えかねないため、郵送前の最終確認を怠らないようにすることが肝心です。
郵便局の窓口とポスト投函はどちらを選ぶべきか
郵便局の窓口とポスト投函のどっちを選ぶべきかは、応募者の状況によって異なります。
郵便局の窓口を利用する最大のメリットは、職員が書類の重さやサイズを正確に計測し、正しい郵便料金を案内してくれる点です。
これにより、料金不足という最も避けたいミスを防ぐことができます。
また、配達記録が残る「特定記録」や、より確実性の高い「簡易書留」といったオプションサービスを利用したい場合も、窓口での手続きが必要です。
一方、ポスト投函は24時間いつでも発送できる手軽さが魅力ですが、切手料金の確認などをすべて自分で行う必要があります。
締切まで十分に余裕があり、郵送の準備に不備がないと確信できる場合はポスト投函、少しでも不安な点があれば郵便局の窓口を利用するといった使い分けが賢明です。
【ステップ1】履歴書をポスト投函する前の準備
履歴書をポストに投函する前には、応募書類そのものだけでなく、郵送に使用するアイテムの準備も重要です。
適切なサイズの封筒を選び、書類を汚れや折れから守るためのクリアファイルを用意することは、基本的なビジネスマナーとされています。
また、送付状(添え状)を同封することで、採用担当者に対してより丁寧な印象を与えることができます。
ここでは、応募書類を郵送するために必要なものの選び方や、添え状の作成について解説します。
封筒の選び方:A4サイズが入る「角形A4号」か「角形2号」
履歴書を郵送する際には、応募書類を折らずにそのまま入れられる大きさの封筒を選ぶのがマナーです。
一般的に、A4サイズの書類が収まる「角形A4号」または「角形2号」が適しています。
市販の履歴書はA4サイズやB5サイズが主流ですが、職務経歴書など他の書類もA4で作成することが多いため、A4サイズを基準に考えると良いでしょう。
「角形A4号」はA4がぴったり収まるサイズ、「角形2号」はA4サイズのクリアファイルに入れても余裕がある大きさです。
どちらを使用しても問題ありませんが、同封する書類が多い場合は「角形2号」を選ぶとスムーズに封入できます。
これらの封筒は、コンビニエンスストアや文房具店などで購入可能です。
封筒の色:フォーマルな印象を与える白色が最適
履歴書を送付する封筒の色は、白色を選ぶのが最も適切です。
白色の封筒は清潔感があり、フォーマルな印象を与えるため、ビジネス文書のやり取りで一般的に使用されます。
また、黒いペンで書いた宛名がはっきりと読みやすいという利点もあります。
事務用品としてよく使われる茶色の封筒を使用してもマナー違反というわけではありません。
しかし、茶封筒は他の事務的な郵便物に紛れやすく、採用担当者が見落としてしまう可能性も考えられます。
重要な応募書類であることを視覚的に伝えるためにも、白色の封筒を選ぶことが推奨されます。
中身が透けて個人情報が見えないよう、厚手の紙でできたものや、内側に特殊な加工が施された二重封筒を選ぶとより安心です。
書類を汚れや折れから守るクリアファイルを用意しよう
作成した応募書類は、郵送前に無色透明のクリアファイルに挟んでから封筒に入れるのが丁寧な方法です。
クリアファイルを使用する目的は、郵送過程で雨に濡れたり、他の郵便物の下敷きになったりして、大切な書類が汚れたり折れ曲がったりするのを防ぐことです。
また、採用担当者が封筒から書類を取り出す際に扱いやすくなり、複数の書類がバラバラになるのを防ぐ効果もあります。
使用するクリアファイルは、企業のロゴやキャラクターの柄が入っていない、新品のシンプルなものを選びましょう。
このような細やかな配慮が、書類を丁寧に扱っているという印象を与え、ビジネスマナーをわきまえているという評価につながることもあります。
同封すると丁寧な印象になる添え状の書き方
履歴書を郵送で送付する際は、添え状(送付状)を同封するのが一般的なビジネスマナーです。
添え状は、挨拶とともに「誰が」「何を」「どれくらい」送ったのかを伝えるための書類です。
これがなくても選考に直接影響するわけではありませんが、一枚添えるだけで採用担当者に対して丁寧で誠実な印象を与えられます。
記載する項目は、送付年月日、宛名、差出人情報、件名、頭語・結語、本文(簡単な応募の経緯や自己PR)、そして同封書類の内容と枚数を記したリストです。
A4用紙1枚に、パソコンで作成するのが基本。
自己PRを長々と書くのではなく、あくまで挨拶と内容物の案内状という役割を意識し、簡潔にまとめることがポイントです。
【ステップ2】正しい封筒の書き方マナー
封筒は採用担当者が応募者からの書類を最初に目にする、いわば「企業の顔」です。
そのため、封筒の書き方一つで第一印象が大きく左右される可能性があります。
宛名は正確に、そして敬称を正しく使い分けることが基本です。
また、重要な書類が入っていることを示す「履歴書在中」の朱書きも忘れてはなりません。
ここでは、封筒の表面と裏面、それぞれの正しい書き方のマナーについて、具体的なポイントを交えて解説します。
表面の書き方:宛名は正確に、「履歴書在中」も忘れずに朱書きする
封筒の表面には、送付先の情報を正確に記載します。
まず右側に郵便番号を書き、その下に都道府県から省略せずに住所を記入します。
ビル名や階数まで忘れずに書きましょう。
中央には会社名を正式名称で書き、「株式会社」を「(株)」などと略さないように注意が必要です。
宛名は、部署宛なら「人事部御中」、個人名が分かっている場合は「人事部〇〇様」とします。
担当者名が不明な場合は「採用ご担当者様」と記載しても構いません。
最後に、封筒の左下に赤色のペンで「履歴書在中」と記し、定規を使って四角で囲みます。
この朱書きは、社内で他の郵便物と区別し、開封前に中身が重要な応募書類であることを示すための重要なマナーです。
裏面の書き方:自分の住所・氏名と投函日を明記する
封筒の裏面には、差出人である自分の情報を記載します。
裏面の左下に、自分の郵便番号、住所、氏名を記入してください。
住所は表面と同様に都道府県から省略せず、建物名や部屋番号まで正確に書き記します。
誰からの郵便物かが一目でわかるよう、丁寧かつ読みやすい字で書くことが大切です。
また、裏面の左上には、ポストに投函する日付を漢数字で記入します。
この日付は、履歴書や添え状に記載した日付と統一するのが一般的です。
万が一、宛先不明などで書類が返送されてくる場合に備え、差出人情報は必ず明記しなければなりません。
これらの情報が正しく書かれているか、投函前に再度確認しましょう。
【ステップ3】書類の封入と切手の貼り方
応募書類の準備と封筒の宛名書きが完了したら、いよいよ書類を封入する段階です。
書類を入れる順番や封筒の閉じ方、そして郵便料金を示す切手の貼り方にも、ビジネスマナーが存在します。
これらの手順を丁寧に行うことで、細やかな部分まで配慮ができる人物であるという印象を与えられます。
ここでは、書類を封筒に入れる際の正しい順番から、適切な封の閉じ方、そして切手の料金や貼り方について具体的に解説します。
書類を入れる順番:上から添え状、履歴書、その他書類
封筒に書類を入れる際は、採用担当者が開封したときに確認しやすい順番を意識します。
まず一番上に添え状を置き、その次に履歴書、職務経歴書、そしてポートフォリオなどのその他書類が続くように重ねます。
この一式をクリアファイルにまとめてから、封筒に入れます。
この順番にしておくと、受け取った担当者はまず添え状で送付者と内容物の概要を把握し、次に履歴書、職務経歴書という自然な流れで応募者の情報を確認できます。
封筒の表面と、中に入れる書類の表面(顔写真が見える面)の向きを揃えて封入することも、受け手への配慮を示すポイントです。
書類がばらけないようにクリアファイルに挟んでいれば、クリップで留める必要はありません。
封筒の閉じ方:のり付け後に「〆」マークを記載する
応募書類を封筒に入れたら、フラップを閉じて封をします。
この際、剥がれやすいセロハンテープや、カジュアルな印象を与えるホッチキスの使用は避けましょう。
液体のりやテープのり、あるいは両面テープを使用して、フラップが途中で開いてしまわないようにしっかりと接着します。
水のりは付けすぎると封筒がシワになることがあるため、スティックのりを使うと綺麗に仕上げやすいです。
封を閉じたら、フラップと本体が重なる部分に「〆」という封字を黒いペンで書きます。
これは「確かに封をしました」という意味を持ち、第三者によって開封されていないことを示すための印です。
ビジネスマナーとして、忘れずに記入するようにしましょう。
正しい切手の料金と貼り方のマナー
履歴書を郵送する際、切手の料金不足は絶対に避けなければならないミスです。
料金が足りないと、書類が差出人に返送されて締切に間に合わなくなるか、最悪の場合、不足分を応募先企業が支払うことになり、著しく悪い印象を与えます。
A4サイズの書類一式をクリアファイルに入れ、角形2号の封筒で送る場合、総重量は50gを超え100g以内になることが多いため、140円切手が必要となるのが一般的です。
料金に不安がある場合は、郵便局の窓口で正確な重さを測ってもらうのが最も確実です。
切手は封筒表面の左上、縦長の封筒であれば縦7.0cm×横3.5cmの範囲内に、曲がらないようにまっすぐ貼り付けます。
記念切手やキャラクターデザインの切手は避け、普通切手を使用しましょう。
【ステップ4】ポスト投函時の注意点とポイント
すべての準備を終え、いよいよ履歴書をポストに投函する最終段階です。
このタイミングでも、いくつか確認すべき重要なポイントがあります。
特に、応募締切に確実に間に合わせるための投函時間や、最後まで気を抜けない切手の料金不足のリスク、そして万が一の郵便事故への備えは大切です。
ここでは、ポスト投函を実行する際の具体的な注意点や、コンビニエンスストアに設置されたポストの利用可否について解説します。
応募締切に間に合わせるための投函タイミングと集荷時間の確認
履歴書をポスト投函する際は、応募締切から逆算して余裕を持ったタイミングで送ることが重要です。
ポストにはそれぞれ1日に数回の集荷時間が定められており、その時間が過ぎてから投函した郵便物は、翌日の集荷扱いとなってしまいます。
締切が「必着」の場合、その日付までに企業に書類が到着していなければなりません。
郵便局のウェブサイトなどで配達にかかる日数を事前に調べ、土日祝日を挟む可能性も考慮して、少なくとも締切の2〜3日前には投函を済ませておくと安心です。
締切が「消印有効」であれば、締切日当日の最終集荷時刻に間に合えば問題ありませんが、予期せぬトラブルを避けるためにも、できるだけ早めに行動することをおすすめします。
料金不足を避けるために投函前に重さをチェック
ポスト投函における最大の注意点は、切手の料金不足です。
料金が不足していると、応募書類が差出人である自分の元へ返送されてしまい、応募締切に間に合わなくなる恐れがあります。
また、宛先である企業が不足分を支払うことになれば、管理能力を疑われるなど、非常に悪い印象を与えてしまいます。
自宅にキッチンスケールなどがあれば、投函前に封筒全体の重さを測っておくと安心です。
A4サイズの応募書類一式(クリアファイル、添え状、履歴書、職務経歴書)を角形2号封筒に入れた場合、総重量は50gを超えることがほとんどです。
定形外郵便物(規格内)の場合、100g以内であれば140円となります(2025年11月時点)。
判断に迷う場合は、郵便局の窓口で正確に計測してもらうのが最も確実な方法です。
郵便事故が不安な場合に利用できる郵送方法
通常のポスト投函、つまり普通郵便には、郵送過程を追跡するサービスや、紛失・破損した場合の補償がありません。
頻繁に起こることではありませんが、郵便事故のリスクが完全にゼロとは言えません。
もし、大切な応募書類が確実に届いたかを確認したい場合や、万が一の事態が不安な場合は、追跡サービスが付いた郵送方法の利用を検討すると良いでしょう。
例えば「特定記録郵便」は、基本料金に160円を追加することで、郵便物の引き受け記録が残り、配達状況をインターネットで確認できます。
より確実性を求めるなら、対面での受け渡しと損害賠償が付く「簡易書留」という選択肢もあります。
これらのサービスは郵便局の窓口での手続きが必要となり、ポスト投函はできないため注意が必要です。
コンビニのポストから投函しても良い?
コンビニエンスストアの店内に設置されている郵便ポストに履歴書を投函しても、基本的には問題ありません。
これらのポストは日本郵便が管理・集荷しており、街中にある一般的なポストと何ら変わりなく扱われます。
24時間営業しているコンビニであれば、時間を気にせずいつでも投函できるため、多忙な求職者にとっては便利な選択肢です。
ただし、注意すべきは投函口のサイズです。
コンビニのポストは、街中のポストに比べて投函口が小さい場合があります。
履歴書を入れた角形A4号や角形2号の封筒が、無理なくスムーズに入るかどうかを事前に確認しましょう。
無理に押し込むと、封筒や中の大切な書類が折れ曲がったり破損したりする原因になるため、入らない場合は別の大きなポストを利用してください。
まとめ
履歴書はポストに投函する方法で郵送してもビジネスマナーとして問題ありません。
しかし、封筒の選び方や宛名の書き方、書類の入れ方といった一連のプロセスには、守るべきマナーが数多く存在します。
特に、切手の料金不足は応募先企業に迷惑をかける可能性があるため、重さを正確に測るか、郵便局の窓口を利用して確実に対応することが重要です。
最近ではメールでの応募も増えていますが、企業から郵送を指定された場合は、解説した手順に沿って丁寧な準備を心がけましょう。
マナーを守って応募書類を送付したという事実は、選考プロセスにおける自信にもつながります。
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